けんせつる
シールド工法って何?地下鉄みたいなトンネルはどうやって掘るの?
この記事の要点
シールド工法は、シールドマシン(掘削機)で地盤を掘削しながら、掘削面の崩壊を防ぎつつセグメント(覆工部材)を組み立てて地下トンネルをつくる工法です。地下鉄・上下水道・共同溝などで使われます。
施工管理ではセグメントの品質・組立精度の確認と地盤変位の計測管理が主なチェックポイントです。また土圧式と泥水式の工法の違いは地盤条件によって選定されます。
シールド工法はトンネル工事の主要工法のひとつです。仕組みと管理ポイントを整理しましょう。
シールド工法は掘削面(切羽)の安定方法によって主に2種類に分かれます。
| 種類 | 安定方法 | 主な適用地盤 |
|---|---|---|
| 土圧式(泥土圧式) | 掘削土砂をカッターチャンバー内に充満させて土圧で切羽を安定させる | 粘性土・砂質土(比較的水位が低い) |
| 泥水式 | 泥水(ベントナイト泥水)を加圧して切羽の水圧・土圧に対抗する | 砂礫地盤・地下水位が高い地盤 |
土圧式・泥水式の選定基準と切羽安定管理の確認事項については、国土交通省のシールドトンネル工事施工管理チェックシート(下図)でも確認できます。
ザックリ言えば、「土圧式は掘削土自体で切羽を押さえる、泥水式は専用の泥水で押さえる」という違いです。
どちらを採用するかは地盤の種類・地下水位・施工深度によって設計段階で決定されます。
シールド工法の施工手順は次の通りです。
セグメントはトンネルの覆工(ライニング)となる主要構造部材です。
セグメントの受入確認・組立精度・ガスケット・ボルト締付けの具体的なチェック内容については、国土交通省のシールドトンネル工事施工管理チェックシート(下図)でも確認できます。
シールド工法の施工中は、切羽通過に伴って地盤変位・地表沈下が生じます。
近接する建物・道路・埋設管に影響しないよう、計測管理が重要です。
例えば、切羽がある位置の真上の地表で急激な沈下が観測された場合、シールドマシン前面の土圧管理が不十分な可能性があります。
計測データを日次で確認して異常を早期に検出することが、シールド工事の施工管理の基本です。
混同しやすい用語の整理
土圧式(泥土圧式)は掘削土砂で切羽を安定させる。泥水式はベントナイト泥水を使って切羽を安定させる。地盤条件(土質・地下水位)によって選定する。
シールド工法は地下を掘削機で掘り進めるため地表を掘り起こさない(非開削)。開削工法は地表から掘削して構造物をつくる工法。市街地の地下工事では非開削のシールド工法が選ばれることが多い。
シールド工法の土圧式と泥水式の主な違いは何か?
切羽(掘削面)の安定方法が異なる。土圧式は掘削土砂をチャンバー内に充満させて安定させる。泥水式はベントナイト泥水を加圧して安定させる。地盤の種類・地下水位によって選定する。
シールド工法で「裏込め注入」を行う目的は何か?
シールドマシン通過後に生じたテール空隙(セグメントと地盤の隙間)を埋めて地盤沈下を防ぐため。裏込め注入が不足すると地盤沈下が発生する。
セグメントの受入確認でチェックすべき主な項目は何か?
種類・寸法の一致確認、ひび割れ・欠けの有無、ガスケット(止水材)の有無、製品検査記録の確認。
計測値が管理基準値に近づいた場合、施工管理者はどう対応するか?
掘進速度の低下・裏込め注入の増量等の対策を検討し、監督員・設計者に報告する。管理基準値を超えた場合は施工を一時停止して協議する。
シールド工法と開削工法の主な違いは何か?
シールド工法は地表を掘り起こさず地下を掘削機で掘り進める非開削工法。開削工法は地表から掘削する。市街地の地下工事では交通・近隣への影響を抑えるためシールド工法が選ばれることが多い。
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
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> 山留め工法の種類と特徴を確認する
参考資料
・土木学会「シールドトンネル工学」
・国土交通省「地下埋設物を保護するための施工指針」
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
シールド工法の施工管理で特に重要なのが「裏込め注入の記録管理」です。
テール空隙への注入量が不足すると地盤沈下に直結しますが、注入量を「入れた気がする」という記録では品質証明になりません。各リングごとの注入量・注入圧の記録を施工記録として必ず残すことが基本です。
また、計測データの見方を知らずに「毎日数字を記録するだけ」では管理にならないんです。管理基準値(注意・警戒・限界の3段階が多い)と実測値の差を常に意識して、異常の兆候を早めに捉える習慣が大切です。