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令和7年度 1級建築施工管理技士 No.28を解説、M20トルシア形高力ボルトの1次締付けトルクは約150N・m

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.28は、高力ボルト接合に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. M20トルシア形高力ボルトの標準長さの加算値
  2. M20の1次締付けトルク値
  3. 溶融亜鉛めっき高力ボルトの摩擦面処理とスリップ係数
  4. 本締め後のナット回転量の合格範囲

※ 問題文そのものは建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢2(これが最も不適当な記述)

「M20の1次締付けトルク値を100N・mとした」という記述が誤りです。JASS 6(建築工事標準仕様書 鉄骨工事)では、ねじの呼びM20のトルシア形高力ボルトの1次締付けトルク値は約150N・mとされています。100N・mでは1次締めの導入軸力が不足するわけです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) M20トルシア形高力ボルトの長さは締付け長さ+30mmを標準とする
2 ×(誤り) M20の1次締付けトルク値は約150N・m「100N・m」は不足で誤り
3 ○(正しい) 溶融亜鉛めっき高力ボルト接合の摩擦面はりん酸塩処理でスリップ係数0.4以上
4 ○(正しい) 溶融亜鉛めっき高力ボルトM20の本締め後のナット回転量は120°±30°の範囲

選択肢2のポイント(ここが誤り)

高力ボルトの締付けは、1次締め・マーキング・本締めの順で進めます。1次締めは部材を密着させ、所定の導入軸力を得るための準備段階の締付けなんです。

JASS 6では、ねじの呼びM20のトルシア形高力ボルトの1次締付けトルク値は約150N・mとされています。トルクが小さすぎると部材の密着が不十分になり、本締めで均一な軸力が得られません。

問題文の「1次締付けトルク値を100N・mとした」という記述は基準より小さく、1次締めの導入軸力が不足するため誤りで、正しくは150N・m程度です。

1次締付けトルク値はボルト径で変わり、M16なら約100N・m、M20・M22なら約150N・m、M24なら約200N・mが目安です。径が大きくなるほどトルク値も大きくなります。

覚え方

  • M20トルシア形の1次締付けトルク値は約150N・m(100N・mは不足)
  • 1次締付けトルクの目安はM16→約100、M20・M22→約150、M24→約200N・m
  • M20トルシア形の長さは締付け長さ+30mmを標準とする
  • 溶融亜鉛めっきはりん酸塩処理でスリップ係数0.4以上、ナット回転量120°±30°

一問一答

Q.

ねじの呼びがM20のトルシア形高力ボルトの1次締付けトルク値はおよそ何N・mか。

約150N・mです。「100N・m」では1次締めの導入軸力が不足します(JASS 6による)。

Q.

高力ボルトの締付けで、1次締めはどのような目的で行うか。

部材を密着させ、本締めで均一な軸力を得るための準備として行います。1次締めの後にマーキングし、本締めへ進みます。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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