ゼロから学ぶ建築施工管理

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令和7年度 1級建築施工管理技士 No.37を解説、熱溶接は接着剤が硬化してから行い4時間では早い

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.37は、ビニル床シート張りに関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 気泡を押し出した後のローラー圧着
  2. 熱溶接を始める時期(接着剤の硬化)
  3. 防湿層のない土間コンクリートに適した接着剤
  4. 水回りの幅木天端のシーリング処理

※ 問題文そのものは建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢2(これが最も不適当な記述)

熱溶接工法の溶接作業は、張付け用接着剤が硬化してから行うのが正しい手順です。接着剤が十分硬化していないうちに溶接すると、溶接時の熱でシートがずれたり浮いたりします。張付け後4時間程度では接着剤の硬化が不十分で早すぎるわけです。「張付け後4時間以上経過してから」とした部分が誤りです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ○(正しい) 気泡を押し出した後に45kgローラーで圧着するのは正しい施工手順
2 ×(誤り) 熱溶接は接着剤が硬化してから行う。「張付け後4時間以上」では早すぎて誤り
3 ○(正しい) 防湿層のない土間コンクリートにエポキシ樹脂系接着剤を用いる
4 ○(正しい) 幅木天端をシリコーン系シーリング材で処理するのは水回りの正しい納まり

選択肢2のポイント(ここが誤り)

ビニル床シートの熱溶接工法では、シートを下地に接着してから、シート相互のすき間に溶接棒を熱で溶かして埋め、一体化させます。この溶接は接着が落ち着いてから行う必要があります。

張付け用接着剤が硬化しないうちに溶接すると、溶接の熱や圧でシートが動いてしまい、目地が開いたり浮いたりします。だから溶接作業は接着剤が硬化してから始めるのが正しいわけです。

張付け後4時間程度では接着剤の硬化が進んでおらず早すぎます。問題文の「溶接作業を張付け後4時間以上経過してから行った」という記述は誤りで、正しくは接着剤が硬化したことを確認してから(一般に翌日以降)溶接します。

けんせつるのひとこと

「とりあえず数時間あければ溶接していい」という思い込みが一番危ない。判断の基準は経過時間ではなく接着剤の硬化です。硬化を待たずに溶接して目地が開くのは、現場でよく聞く失敗です。

覚え方

  • 熱溶接は接着剤が硬化してから(張付け後4時間では早い)
  • 気泡を押し出した後45kgローラーで圧着
  • 防湿層のない土間コンクリートにはエポキシ樹脂系接着剤
  • 水回りの幅木天端はシリコーン系シーリングで止水

一問一答

Q.

ビニル床シートの熱溶接工法において、溶接作業はいつ始めるのが正しいか。

張付け用接着剤が硬化してから行います。判断の基準は経過時間ではなく接着剤の硬化で、4時間程度では早すぎます。

Q.

防湿層のない土間コンクリートへのビニル床シート張りに使う接着剤として、エポキシ樹脂系は適切か。

適切です。防湿層のない土間コンクリートにはエポキシ樹脂系接着剤を用います。

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出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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