けんせつる
「はつり」って何をする作業なの?コンクリートを壊す仕事?いつどこで行うの?
この記事の要点
はつり工事は、コンクリートや岩盤を削り取る・壊す作業の総称です。「はつる」とは、専用工具で対象物を機械的に削り取ることを指します。
建設現場では主に杭頭処理・レイタンス除去・ジャンカの補修下地作り・スリーブ設置ミスの修正などで行います。施工管理では作業範囲・深さの確認と、健全なコンクリートを傷めていないかのチェックが重要です。
はつり工事は「コンクリートを意図的に壊す作業」のため、「どこまではつるか」の管理が特に重要です。
どんな場面で・どんな工具で・何を確認するかを整理しましょう。
建設現場でのはつり工事の主な用途は次の通りです。
| 用途 | 内容 |
|---|---|
| 杭頭処理 | 既製杭・現場打ち杭の杭頭部の不良コンクリートをはつり取り、基礎梁・フーチングとの接合部を健全な状態にする |
| レイタンス除去 | コンクリート打継ぎ前に表面のレイタンス層をはつり取る |
| ジャンカの補修 | 型枠解体後に発見されたジャンカ(豆板)部分をはつり取って補修下地を作る |
| スリーブ・開口の修正 | 位置ずれ・サイズ違いで設置されたスリーブの周辺コンクリートをはつって修正する |
| 改修工事 | 既存コンクリートを削り取って下地を整える、配管を通すための溝を切る |
ザックリ言えば、「意図しない状態になったコンクリートを修正する」か「打継ぎ・接合のために表面を整える」のどちらかが目的です。
はつり工事の工具は作業規模・精度によって使い分けます。
例えば、杭頭処理では設計図で指定された「はつり天端レベル」まで正確にはつる必要があります。電動ハンマーで大まかにはつった後、グラインダーで表面を整えるという2段階の作業手順が一般的です。
施工管理者がはつり工事で確認すべき主なポイントは次の通りです。
なんとなくイメージできましたか。施工管理の仕事は「正しい範囲をはつったか」と「はつった後の状態に問題がないか」を確認することです。
混同しやすい用語の整理
はつりは不良コンクリートを削り取る作業自体を指す。コンクリート補修ははつりで作った下地に補修材(モルタル・エポキシ樹脂など)を充填して仕上げる作業全体を指す。はつりは補修工程の最初のステップ。
はつりは部分的にコンクリートを削り取る精緻な作業。解体はコンクリート構造物全体を壊す作業。スケールと目的が異なる。
建設現場でのはつり工事の主な用途を3つ挙げよ。
①杭頭処理(杭頭の不良コンクリートを除去する)、②レイタンス除去(コンクリート打継ぎ前の表面処理)、③ジャンカ補修の下地作り(型枠解体後に発見された不良部分を除去して補修下地を作る)。他にスリーブ修正・改修工事での溝切りなども行う。
はつり工事で施工管理者が最も注意すべき確認事項は何か?
はつり範囲・深さが設計指示と一致しているか、健全なコンクリートを傷めていないか、鉄筋に切り込みが入っていないかの3点。特に「はつりすぎ」は健全部分へのダメージにつながるため、作業中の確認と目印設置が重要。
杭頭処理のはつり工事で管理するレベル(天端高さ)とは何か?
設計図書で指定された「杭頭天端レベル」まではつる。このレベルは基礎梁・フーチングの底面と杭の接合位置を決める重要な寸法で、はつりすぎると杭の有効長さが変わる。墨出しでレベルを明示してから作業を開始する。
> ジャンカとコールドジョイントの違いとは?を確認する
> レイタンスとは何か?を確認する
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
参考資料
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)「コンクリート工事」の節
・JASS 5 鉄筋コンクリート工事(日本建築学会)打継ぎの節
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
はつり工事でよく問題になるのは「作業員に任せきりにして、はつり深さが設計より深くなっていた」ケースです。
特に杭頭処理でははつり過ぎると杭の有効長さが変わってしまうことがあります。はつり中に施工管理者が現場で確認する、または「ここまではつる」という目印(墨線・テープなど)を明確に示しておくことが大切です。
振動・騒音が大きい作業なので、近隣への影響も管理範囲に含まれます。作業時間帯の制限があるかどうかも事前に確認しておくことが必要です。