けんせつる
鉄筋を結束線で縛るのはなぜ?どれくらいの間隔で結束すればいいの?施工管理でどこを確認するの?
この記事の要点
鉄筋結束は、配筋された鉄筋の交差部を結束線(なまし鉄線)で縛り固定する作業です。コンクリート打設中の鉄筋のずれを防ぐことが目的です。
結束は鉄筋の構造強度には直接影響しない(結束線はコンクリート打設時の仮固定が目的)ため、正しい位置に配筋することの方が重要です。施工管理では結束の省略・外れがないかと、結束後の配筋位置のずれを確認します。
結束線は「正しく配筋した鉄筋を打設中にずらさないための固定具」です。結束の仕方と確認方法を整理しましょう。
配筋完了後、型枠内にコンクリートを流し込む際、コンクリートの流動圧と振動棒による振動が鉄筋に力を与えます。結束がないと鉄筋が動いて設計位置からずれ、かぶり厚不足・鉄筋間隔の乱れが生じます。
ザックリ言えば、「コンクリートを打設するまでの間、鉄筋が動かないように縛って固定する」のが結束の役割です。
なんとなくイメージできましたか。結束線はコンクリートが固まった後は強度に関係しません。だから「結束線の本数」より「正しい位置に配筋されているか」の方が重要なわけです。
結束線(なまし鉄線)は軟らかく変形しやすい細い鉄線で、鉄筋交差部に巻きつけてハッカー(結束線を回転させて締め込む専用工具)で締める方法が一般的です。
結束線の端部が型枠側に突き出ないよう内側に折り込むことが重要です。結束線が型枠内面に触れると、コンクリート表面に錆汁が出る(錆染み)原因になります。
公共建築工事標準仕様書・JASS 5 では結束ピッチについて次のように定めています。
ただし、端部・折り曲げ部・スターラップの上端は特に打設時にずれやすいため、全数結束が必要です。
混同しやすい用語の整理
鉄筋の固定方法として結束(結束線)と溶接(スポット溶接など)がある。溶接は強固に固定できるが、溶接熱が鉄筋の材質に影響するリスクがある。JASS 5 では溶接組立は原則認められていない(溶接により脆化するため)。
同じもの。鉄を焼きなまして柔らかくした鉄線を結束に使うため「なまし鉄線」とも呼ぶ。太さはφ0.9mm・φ1.0mm・φ1.2mmなどがある。
鉄筋結束の主な目的は何か?
コンクリート打設中に鉄筋が動いて設計位置からずれることを防ぐための仮固定。結束線はコンクリートが固まった後は構造強度に関係しない。
結束線の端部の処理として正しいのはどちらか?(型枠外面方向 vs 内側折り込み)
内側折り込みが正しい。結束線端部が型枠内面に触れるとコンクリート表面に錆汁が出る(錆染み)原因になる。端部は必ず内側(コンクリート内部方向)に折り込む。
端部・折り曲げ部の結束で省略できない理由は何か?
端部・折り曲げ部はコンクリート打設時に力を受けやすく、ずれが生じやすいため。中間部の交差点と比べて結束の省略リスクが高い。監理者から全数結束を求められることが多い。
RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
> 鉄筋工事の確認ポイントとは?を確認する
> かぶり厚とは?を確認する
参考資料
・JASS 5 鉄筋コンクリート工事(日本建築学会)鉄筋工事の節
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)第5章 鉄筋工事
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
鉄筋結束で気をつけたい問題として「結束線の端部が型枠外面に向いたまま打設してしまう」ことです。
コンクリート表面に錆染みが出て、竣工後に美観問題になります。配筋検査の際に結束線の向きも確認する習慣をつけておきましょう。
もう一つは「自動結束機を使ったことで結束を終えたつもりになり、端部の結束漏れが生じる」ケースです。自動結束機は広い面積の配筋には便利ですが、隅角部・端部・複雑な形状部分は手結束が必要です。