けんせつる
屋上の排水口(ドレイン)まわりの防水って何を確認するの?オーバーフロー管って必要なの?ドレインが詰まったらどうなるの?
この記事の要点
ルーフドレンとは、屋上やバルコニーの雨水を排水するための排水口金物のことです。「ルーフドレイン」とも表記し、同じものを指します。防水工事ではドレインまわりが最も漏水しやすい弱点のため、防水材をドレインへ確実に施工することが重要な確認箇所になります。
施工管理では防水材のドレインへの立ち上がり確認・オーバーフロー管の設置確認・防水施工後の排水試験立会いが主なポイントです。ドレインが詰まると屋上が冠水し防水層に過大な水圧がかかります。
ドレインまわりは防水工事の弱点中の弱点です。アスファルト防水・ウレタン防水いずれの工法でも、ドレインまわりの施工確認を怠ると雨漏りの原因になるわけです。
結論から言うと、「ドレン」と「ドレイン」は同じものです。どちらも英語の drain(排水)が語源で、意味は変わりません。英語の発音に近いのは「ドレイン」、現場では「ドレン」と短く呼ぶことが多い、という表記・呼び方の違いだけです。
屋上の雨水排水口を指す金物は「ルーフドレン」「ルーフドレイン」どちらの表記も使われ、製品カタログでも両方見かけます。同じ部材を指していると考えて問題ありません。
ルーフドレンは「排水方向」「排水管との接続方法」「取付けの時期」で分類されます。
| 分類 | 種類 | 内容 |
|---|---|---|
| 排水方向 | 縦引き型/横引き型 | 縦引きは下階へ垂直に排水、横引きは横方向に流して外壁側やパラペットから排水する |
| 接続方法 | 差込式/ねじ込式 | 差込式は塩ビ管を差し込む(屋外配管向き)。ねじ込式はねじ込んで接続し密閉性が高い(屋内配管向き・JIS B 0203の管用ねじ) |
| 取付け時期 | 打込型(先付け)/後付け | 打込型はコンクリート打設時に型枠へ取り付けて打ち込む。後付けは打設後に取り付ける |
簡単に言えば、ルーフドレンは「屋上の排水口の金物」です。水を下にまっすぐ落とすのが縦引き、横へ逃がすのが横引き。配管に差すか・ねじ込むかで屋外向き/屋内向きが分かれる、と整理すると選びやすいですね。
ドレインまわりは防水材が複雑な形状に追従する必要があるため、施工不良が起きやすい箇所です。
| 確認項目 | 確認内容 |
|---|---|
| 防水材の重ね代 | 防水材(アスファルト防水・ウレタン防水等)がドレイン上端まで確実に被せられているかを確認する。重ね代が不足すると隙間から水が浸入する |
| ドレイン固定の確認 | ドレインがスラブ(下地)に確実に固定されているかを確認する。固定不良があると防水材との接合部に応力集中が起き、ひび割れの起点になる |
| オーバーフロー管の設置確認 | ドレインが詰まった場合に屋上が冠水しないよう、オーバーフロー管(緊急排水口)が設置されているかを確認する。特に面積の大きい屋上・バルコニーでは必須 |
| 落葉除け(ストレーナー)の設置確認 | 落葉・ゴミによるドレイン詰まりを防ぐストレーナーが設置されているかを確認する |
ザックリ言えば、「防水材がドレインに確実に巻き込まれているか、詰まりへの備えがあるか」の2点を確認するということです。
防水工事完了後には散水試験(水張り試験)を実施して漏水がないかを確認します。ドレインまわりは特に念入りに確認するわけです。
混同しやすい用語の整理
ルーフドレインは屋上・バルコニーの通常の雨水排水口。オーバーフロー管はドレインが詰まった際の緊急排水口で、通常の排水口より高い位置に設置する。詰まりによる冠水・防水層への過大水圧を防ぐ緊急用。両者はセットで設置するのが適切。
ドレインが詰まった場合にオーバーフロー管がないとどのような問題が生じるか?
屋上・バルコニーが冠水し、防水層に設計外の水圧がかかる。大雨時には短時間で大量の水が溜まり、防水層の剥離・破断や構造スラブへの浸水につながるリスクがある。オーバーフロー管は詰まりへの備えとして必須。
防水工事完了後にドレインまわりの漏水確認に使う試験方法は何か?
散水試験(水張り試験)。ドレインを仮塞ぎして屋上に水を張り、24時間以上保持して漏水がないかを確認する。ドレインまわり・防水材重ね部分を重点的に確認して記録を残す。
防水工事の種類と施工管理は防水・シーリングにまとめています。
参考資料
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)(国土交通省大臣官房官庁営繕部)
・防水工事設計施工指針(日本防水材料協会)
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
ドレインまわりの漏水は「少し雨が降った程度では症状が出にくく、大雨のときに急に問題が顕在化する」ことがあります。完成後数年たってからドレインまわりの漏水が判明するケースも多いです。
施工管理者として、防水施工直後の散水試験だけでなく、隠蔽前の写真記録を丁寧に残しておくことが竣工後のトラブル対応にも役立ちます。