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杭頭補強筋とは何か:設置方法・施工管理の確認ポイント

商業出版経験のある運営者が、公式資料・標準仕様書・過去問傾向を確認しながら、初学者向けに整理しています。

けんせつる

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杭頭補強筋って杭の上の部分に入れる鉄筋のこと?なぜ必要で、施工管理でどこを確認するの?

この記事の要点

杭頭補強筋は、杭頭と基礎(フーチング・パイルキャップ)の接合部に設置する鉄筋です。地震時に杭頭に生じる曲げモーメントと引抜き力を基礎に伝えるために必要です。

施工管理では補強筋の径・本数・突出長さが設計図通りか杭頭処理(はつり)完了後に確認することが重要です。この確認タイミングを逃すと、コンクリート打設後は確認できなくなります。

杭頭補強筋は基礎工事の中でも見落としやすい確認箇所です。はつり後・フーチングコンクリート打設前の確認が唯一のチャンスです。

杭頭補強筋はなぜ必要なのか

杭基礎の建物では、地震時に杭頭に大きな曲げモーメントと水平力が集中します。

杭頭と基礎が単に接触しているだけ(ピン接合)だと、地震時の曲げモーメントを基礎に伝えられません。杭頭補強筋を基礎に十分な長さ定着させることで、杭頭の曲げモーメントを基礎に伝える「剛接合」が成立します。

ザックリ言えば、「杭と基礎をしっかりつなぐための鉄筋」です。杭頭補強筋がないと地震時に杭頭で破断するリスクが高まります。

杭頭補強筋はどのように設置するのか

設置手順は次の通りです。

  1. 杭頭処理(はつり):杭頭の不良コンクリートをはつり取って健全なコンクリート面を出す。設計図の杭頭天端レベルまでの正確なはつりが必要
  2. 杭主筋の露出確認:既製RC杭や現場打ち杭では、はつりで杭主筋が露出する。露出長さ(定着長さ)が設計値通りかを確認する
  3. 補強筋の設置(鋼管杭・PHC杭の場合):鋼管杭やPHC杭(プレストレストコンクリート杭)は主筋が露出しないため、杭頭部に補強筋(スパイラル筋・主筋)を別途取り付ける。補強筋の径・本数・設置位置を設計図で確認する
  4. フーチングコンクリート打設:補強筋が基礎に定着する長さを確保した状態でフーチングコンクリートを打設する

場所打ちコンクリート杭の杭頭部の処理・杭頭補強筋の設置に関する規定は、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版(下図)4.5節に示されています。

公共建築工事標準仕様書 令和4年版 4.5.1場所打ちコンクリート杭地業 一般事項(杭頭補強筋・はつり処理の規定)
出所:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版 p.20 4.5.1 場所打ちコンクリート杭地業 一般事項(杭頭部の処理・杭頭補強筋の設置に関する施工管理基準が規定されている)

施工管理での確認ポイントはどこか

杭頭補強筋を含む杭・基礎コンクリートの品質(設計基準強度・スランプ等)は、公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版(下図)表4.5.1に規定されています。

公共建築工事標準仕様書 令和4年版 表4.5.1コンクリートの種別(設計基準強度・スランプ・粗骨材最大寸法)
出所:公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和4年版 p.21 表4.5.1 コンクリートの種別(杭頭補強筋設置後のフーチングコンクリートの品質基準が規定されている)

管理人からのコメント

杭頭補強筋で気をつけたい問題として「PHC杭のスパイラル筋の設置を見落とす」ことです。

はつり後の作業が多く、スパイラル筋の設置確認が抜けてフーチング打設してしまうケースがあります。「はつり→補強筋確認→フーチング打設」の手順を守ることが鉄則です。

もう一つは「露出筋の長さが短い」問題です。

はつりの深さが設計より浅いと露出筋長さが不足します。はつりの深さを杭頭天端レベルで管理するだけでなく、露出筋長さも実測で確認することが大切です。

混同しやすい用語の整理

杭頭補強筋 vs 杭主筋

杭主筋は杭体の縦方向の主要な鉄筋(杭体を構成する)。杭頭補強筋は杭頭から基礎に定着させて接合部を強化する鉄筋。RC杭では杭主筋を露出させて補強筋として使う。PHC杭・鋼管杭では別途補強筋を取り付ける。

杭頭補強筋 vs スパイラル筋

スパイラル筋はPHC杭の杭頭補強に使う螺旋状の鉄筋(帯筋の役割)。杭頭補強筋は広い意味では主筋・スパイラル筋を含む杭頭補強のための鉄筋の総称。

一問一答

Q.

杭頭補強筋はなぜ必要なのか?

地震時に杭頭に生じる曲げモーメントと引抜き力を基礎に伝えるため。補強筋が基礎に定着することで杭頭と基礎が剛接合され、地震力を適切に伝達できる。補強筋がないと地震時に杭頭で破断するリスクが高まる。

Q.

RC杭の杭頭補強筋確認のタイミングはいつか?

杭頭処理(はつり)完了後・フーチングコンクリート打設前。このタイミングが確認できる唯一の機会。打設後は補強筋が見えなくなるため、この時点での写真記録が必須。

Q.

PHC杭(プレストレストコンクリート杭)の杭頭補強で使われる鉄筋の特徴は何か?

スパイラル筋(螺旋状の鉄筋)が使われる。PHC杭にはRC杭のような主筋が露出しないため、杭頭部に別途スパイラル筋・主筋を取り付けて基礎に定着させる。ピッチ・径・定着長さを設計図で確認する。

まとめ

RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。

杭頭処理(はつり)とは?を確認する

杭工事とは?を確認する

参考資料

・建築基礎構造設計指針(日本建築学会)

・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)第5章 地業工事

けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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