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透水シートとは何か:土木工事での使用場面と施工管理の確認ポイント

商業出版経験のある運営者が、公式資料・標準仕様書・過去問傾向を確認しながら、初学者向けに整理しています。

けんせつる

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透水シートって擁壁の水抜きに使うやつ?防水シートとどう違うの?向きや重ね代に決まりはあるの?

この記事の要点

透水シート(ジオテキスタイル・フィルター材)は土木工事で土粒子の流出を防ぎながら水だけを通すフィルター機能をもつシートです。擁壁の水抜き穴まわり・暗渠排水管まわり・山留め壁背面などに使用します。

施工管理では設置方向の確認・重ね代の確認(一般に300mm以上)・施工中の損傷確認が主なポイントです。向きを逆にするとフィルター機能が損なわれるため注意が必要です。

透水シートは土の中に隠れてしまうため施工後の確認が難しい部材です。埋め戻す前に写真記録を取っておくことが重要なわけです。

透水シートはどのような場面で使われるのか

透水シートの主な使用場面は「水を通したいが土は通したくない」という状況です。

使用場所目的
擁壁の水抜き穴まわり砕石層と土の間に設置し、土粒子が水抜き穴から流出するのを防ぐ
暗渠排水管まわり砕石と周囲の土の間にフィルターとして設置し、砕石層への土粒子侵入を防ぐ
山留め壁背面砂地盤での山留め背面に設置し、湧水とともに砂粒子が流出するのを防ぐ
盛土内水平排水盛土内に水平に設置し、盛土内の浸透水を排水しながら土粒子の移動を防ぐ

ザックリ言えば、「砂利や砕石と地盤土の間に挟んで、土粒子が移動しないようにする薄い布」です。防水シートとは機能がまったく逆で、水を通すことが目的なわけです。

透水シートの種類はどう違うのか

透水シートにはいくつかの種類があります。

種類特徴主な用途
不織布タイプ繊維をランダムに絡めた構造。目詰まりしにくく、フィルター性能が安定している排水工事・擁壁まわり。最も一般的
織布タイプ繊維を規則的に織った構造。引張強度が高い補強土工法・法面保護など強度が必要な箇所

土木工事の排水目的では不織布タイプが最も一般的に使われます。

例えば、暗渠排水工事では砕石を透水シートで包み込み、「ソーセージ巻き」のように施工することで砕石への土粒子侵入を防ぎます。この包み込み方は製品の施工要領書に従う必要があります。

施工管理ではどこを確認するのか

透水シートは地中に埋まってしまうため、埋め戻す前に確認を完了させる必要があります。

管理人からのコメント

透水シートの施工不良で注意したいのが「重ね代の不足」です。端部どうしをほとんど重ねずに施工すると、継目から土粒子が流出し、長期的に空洞が発生して沈下につながることがあります。

また、「防水シートと間違えて透水シートを使う(またはその逆)」という誤りも現場で起きることがあります。施工前に製品名と仕様(透水・不透水)を設計図書と照合して確認することが重要です。

混同しやすい用語の整理

透水シート vs 防水シート

透水シートは水を通すことが目的のフィルター材。砂利と地盤の間に設置して土粒子の移動を防ぎながら排水を確保する。防水シートは水を遮断することが目的。屋根・屋上・地下外壁などで使用する。機能がまったく逆のため混同しないよう注意が必要。

不織布 vs 織布

不織布は繊維をランダムに絡めた構造で目詰まりしにくく、排水フィルターとして一般的に使われる。織布は繊維を規則的に織った構造で引張強度が高く、補強土工法など強度が必要な場面に使われる。

一問一答

Q.

透水シートを擁壁の水抜き穴まわりに使う目的は何か?

砕石層と背面の土の間にフィルターを設置し、水だけを水抜き穴へ排水しながら土粒子が水抜き穴から流出するのを防ぐ。土粒子が流出すると空洞が発生し擁壁背面の土圧が変化するリスクがあるため、フィルター機能の確保が重要。

Q.

透水シートの施工で確認すべき重ね代の目安は何mmか?

一般的に300mm以上。重ね代が不足すると継目から土粒子が侵入し、フィルター機能が失われる。製品の施工要領書または設計図書に指定値がある場合はそちらに従う。

Q.

透水シート施工時に埋め戻す前に必ず行うべきことは何か?

施工写真の撮影。設置状況・重ね代・端部処理の状況を記録する。透水シートは埋め戻し後に確認できなくなるため、隠蔽前の写真記録が唯一の施工証拠になる。

まとめ

RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。

参考資料

・公共建築工事標準仕様書(国土交通省大臣官房官庁営繕部)

・道路土工指針(日本道路協会)

・ジオテキスタイルを用いた補強土の設計・施工マニュアル(土木研究センター)

けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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