ゼロから学ぶ建築施工管理

  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 1級建築施工管理技士
  4. 令和7年
  5. > No.44 工程の実施計画

令和7年度 1級建築施工管理技士 No.44を解説、鉄骨CO₂自動溶接の現場溶接能率1人1日200mは過大

令和7年度 1級建築施工管理技士 第一次検定 No.44は、工程の実施計画に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. CO₂自動溶接の作業能率
  2. トルシア形高力ボルトの締付け作業能率
  3. 地上階床の鉄筋組立て能率
  4. コンクリートポンプの場内運搬能率

※ 問題文そのものは建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。上記は、その4つの記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)

鉄骨のCO₂自動溶接による現場溶接の作業能率を、6mm換算溶接長さで1人1日当たり200mとするのは過大な見積もりです。現場溶接は開先の状態確認や仮付け、姿勢の制約、自主検査といった付帯作業が多く、実際の能率はこれよりかなり小さくなります。200mを前提にした工程計画は工期を見誤る原因になるわけです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) 鉄骨CO₂自動溶接の現場溶接能率を6mm換算で1人1日200mとするのは過大。付帯作業を含めるとこれより小さい
2 ○(正しい) トルシア形高力ボルトの締付け能率は1人1日当たり200本程度が目安
3 ○(正しい) 地上階床の鉄筋組立て能率は1人1日当たり0.6tが目安
4 ○(正しい) コンクリートポンプによる場内運搬の能率はポンプ車1台1時間当たり30m³が目安

選択肢1のポイント(ここが誤り)

鉄骨の現場溶接は、工場溶接と違って足場上の限られた姿勢で行い、開先の状態確認や仮付け、風雨やすき間風への養生、溶接後の自主検査といった付帯作業が多くなります。

そのため、6mm換算溶接長さでの作業能率は1人1日当たり200mよりかなり小さい値になります。問題文の「1人1日当たり200m」は実態を大きく上回る数字で、これを前提に組んだ工程は工期を見誤る原因になります。

ザックリ言えば、自動溶接でも現場では機械が連続して動き続けるわけではない、ということです。

覚え方

  • 鉄骨現場溶接の能率200m/人日は過大。付帯作業が多く実態は小さい
  • トルシア形高力ボルトの締付けは1人1日200本程度
  • 地上階床の鉄筋組立ては1人1日0.6t
  • コンクリートポンプの場内運搬は1台1時間30m³

一問一答

Q.

鉄骨のCO₂自動溶接による現場溶接の作業能率を、6mm換算で1人1日当たり200mと計画するのは妥当か。

過大であり妥当ではありません。現場溶接は付帯作業が多く、実際の能率は200mよりかなり小さくなります。

Q.

トルシア形高力ボルトの締付け作業能率は、1人1日当たりおよそ何本が目安か。

1人1日当たり200本程度が目安です。

令和7年 1級建築施工管理技士 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「令和7年度 1級建築施工管理技術検定 第一次検定 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

▼令和7年 1級建築施工管理技士▼

▼他の年度▼

▼他の試験▼

▼カテゴリ一覧▼

Topへ >>