ゼロから学ぶ建築施工管理

  1. HOME
  2. 過去問解説
  3. 2級建築施工管理技士
  4. 平成29年
  5. > No.79 RC耐震壁増設の耐震改修

平成29年度(後期)2級建築施工管理技士 学科試験 No.79 を解説、RC耐震壁増設の耐震改修

平成29年度(後期)2級建築施工管理技士 学科試験 No.79 は、現場打ち鉄筋コンクリート造の耐震壁を増設する耐震改修工事に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 既存部とのあと施工アンカー
  2. 増設壁の打込み方法
  3. 圧入工法の特徴
  4. オーバーフロー管の高さ設定

※ 問題文そのものは建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。上記は、その記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢4(これが最も不適当な記述)

耐震壁を増設するとき、上の既存梁との境目まですき間なくコンクリートを充填するのが大事なんです。ここが充填不足だと、壁が力を伝えられません。

選択肢4はオーバーフロー管の流出先を既存梁の下端より低くしたとしていますが、圧入工法では既存梁下端より高くして充填を確実にするんです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ◯(正しい) 既存部とあと施工アンカーで一体化する
2 ◯(正しい) 増設壁は隅々まで充填されるよう打ち込む
3 ◯(正しい) 圧入工法は下部から圧力をかけて充填する
4 ×(誤り) オーバーフロー管は既存梁下端より高くする

選択肢4のポイント(ここが誤り)

耐震壁を増設するときは、新しい壁と上の既存梁との境目まで、すき間なくコンクリートを充填する必要があります。境目に空隙が残ると、地震の力をうまく伝えられないからです。

圧入工法は、下のほうからポンプで圧力をかけてコンクリートを押し上げ、すき間を埋めていく工法です。

このとき、余分なコンクリートを逃がすオーバーフロー管を付けます。この流出先を既存梁の下端より高くしておくと、コンクリートが梁の下端を超えるまで充填され、境目までしっかり詰まったことが分かるんです。

選択肢4は流出先を「既存梁下端より低くした」としていますが、それでは梁の下端まで充填される前にあふれてしまい、境目に空隙が残るおそれがあります。だから不適当なんです。

ザックリ言えば、圧入工法ではオーバーフロー管の流出先を既存梁下端より高くして充填を確実にする、ということです。

覚え方

  • オーバーフロー管の流出先=既存梁下端より高く
  • 境目まで充填されたことを確認するため
  • 低くすると境目に空隙が残る

一問一答

Q.

増設耐震壁を圧入工法で打ち込むとき、オーバーフロー管の流出先は既存梁下端より高くするか低くするか。

高くします。梁下端を超えるまで充填されたことを確認するためです。低くすると境目まで詰まる前にあふれ、空隙が残るおそれがあります。

平成29年 2級建築施工管理技士 学科試験 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「平成29年度(後期)2級建築施工管理技術検定(学科)試験 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

Topへ >>