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高力ボルト摩擦接合とは何か:摩擦面管理とボルト使用の確認ポイント

商業出版経験のある運営者が、公式資料・標準仕様書・過去問傾向を確認しながら、初学者向けに整理しています。

けんせつる

けんせつる

高力ボルトの摩擦接合ってどんなしくみ?摩擦面が汚れたらどうするの?一度使ったボルトは再使用できないの?

この記事の要点

高力ボルト摩擦接合は高張力ボルトを強く締め付け、その軸力で板同士を圧着し、接触面(摩擦面)の摩擦力によって荷重を伝達する接合方式です。鉄骨造の柱・梁の継手・仕口接合に広く使用されます。

施工管理では摩擦面の赤錆状態確認・ボルト再使用禁止の徹底・降雨後の摩擦面管理・締め付け後のマーキング確認が主なポイントです。摩擦面に油脂・塗料・水が付着すると摩擦力が大幅に低下します。

高力ボルト摩擦接合は「摩擦力で力を伝える」ため、摩擦面の状態管理が品質の核心になるわけです。

摩擦接合のしくみはどうなっているのか

高力ボルトを強く締め付けると、ボルト軸に引張力(軸力)が発生します。この軸力が接合する鋼板どうしを強く圧着します。圧着された面(摩擦面)の摩擦力が外力に抵抗する、というのが摩擦接合の原理です。

ザックリ言えば、「ボルトを強く締めてピタッと密着させ、そのくっつく力(摩擦力)で荷重を受ける」ということです。

施工管理ではどこを確認するのか

接合前の確認

締め付け作業中の確認

管理人からのコメント

摩擦面管理で最もよくあるミスが「鉄骨建方前後に摩擦面に塗料が飛散する」ケースです。タッチアップ塗装のスプレー塗料が風に乗って摩擦面に付着してしまうことがあります。

塗料が付着した摩擦面は摩擦力が低下します。建方前後の塗装作業と摩擦面の養生の工程管理が施工管理者の重要な役割です。

混同しやすい用語の整理

摩擦接合 vs 支圧接合

摩擦接合は摩擦力で荷重を伝える。ボルトと孔の間に隙間(クリアランス)があり、孔がずれない状態を保つ。支圧接合はボルトが孔壁に接触(支圧)して直接荷重を伝える。高力ボルトは通常「摩擦接合」として設計される。

一問一答

Q.

一度締め付けに使用した高力ボルトを再使用できない理由は何か?

締め付け時にボルト軸が塑性変形するため、再使用すると規定の軸力が出なくなる。JASS 6では使用済み高力ボルトの再使用を禁止している。一度外したボルトは廃棄して新品に交換する。

Q.

JASS 6が摩擦面に要求する状態は何か?

赤錆が均一に発生した面またはブラスト処理面。油脂・塗料・防錆剤・光沢のある面は摩擦力が低下するため不合格。施工前に目視で摩擦面の状態を確認する。

まとめ

RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。

参考資料

・JASS 6 鉄骨工事(日本建築学会)

・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)(国土交通省大臣官房官庁営繕部)

けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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