けんせつる
隅肉溶接ってどういう溶接?サイズって何mm?施工管理でどうやって検査するの?
この記事の要点
隅肉溶接(すみにくようせつ)は、直角または斜めに交わる2つの母材(鋼板)の隅(すみ)の部分を溶接する工法です。鉄骨工事では最も多く使われる溶接の種類です。
施工管理では溶接サイズ(脚長)・有効長さ・外観検査(アンダーカット・オーバーラップ・割れ)の3点が主な確認ポイントです。溶接サイズはゲージ(溶接ゲージ)で実測して確認します。
隅肉溶接は日常的に行われている溶接ですが、サイズ不足・外観不良は見落とされやすい欠陥です。検査方法を整理しましょう。
隅肉溶接は、T字・L字・重ね合わせなど2つの母材が交わる「隅の部分」を三角形状の断面(隅肉)で埋める溶接です。
完全溶込み溶接(部分溶込み溶接も含む)が母材を溶かして一体化するのに対し、隅肉溶接は母材表面に溶接材料を盛って接合します。建物の鉄骨では、プレートの取り付け・スチフナー・ブラケットなど多くの箇所で使われます。
隅肉溶接のサイズ(脚長:S)は、断面三角形の辺の長さです。設計図書で「S=6」「S=8」などと指定されます。
ザックリ言えば、「設計図に書かれたサイズより小さい溶接は強度不足で不合格、大きすぎても変形・残留応力の問題がある」ということです。
隅肉溶接の有効長さは、ビードの両端にできるクレータ(溶接終端の凹み)を除いた実際に有効な溶接長さです。
有効長さの計算式:有効長さ=溶接長さ-2×サイズ
設計で指定された有効長さを下回ると強度が不足します。溶接長さが短くなりがちな端部・コーナー付近は特に確認が必要です。
溶接完了後の外観検査で確認する主な項目は次の通りです。
混同しやすい用語の整理
隅肉溶接は母材の隅に三角形断面で溶接材料を盛る(母材を溶かさない部分がある)。完全溶込み溶接は開先(溝)を設けて母材全厚を溶かして一体化する。同じ荷重なら完全溶込みの方が強いが、施工コスト・工数も高い。
脚長(S)は隅肉断面の三角形の辺の長さ(外観で計測できる)。のど厚(a)はその三角形の高さ(有効断面積の計算に使う)。のど厚=脚長×0.707(等脚の場合)。施工管理では外観から脚長をゲージで確認する。
隅肉溶接のサイズ(脚長)のJASS 6 による許容値はどれか?
設計サイズの−1mm以内・+3mm以内。小さすぎると強度不足、大きすぎると残留応力・変形の原因になる。溶接ゲージで実測して確認する。
隅肉溶接の有効長さはどう計算するか?
有効長さ=溶接長さ−2×サイズ(脚長)。両端のクレータ部分(各1サイズ分)を除いた長さが有効長さ。設計で指定された有効長さを下回ると不合格。
隅肉溶接の外観検査でアンダーカットの許容値はどれか?
深さ0.5mm以下(JASS 6)。連続するアンダーカットは不合格。割れ・クラックはすべて不合格で補修が必要。
> 鉄骨溶接の施工管理とは?を確認する
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RC・鉄骨の施工管理はRC・鉄骨の施工管理にまとめています。
この用語が問われた過去問
参考資料
・JASS 6 鉄骨工事(日本建築学会)溶接検査の節
・公共建築工事標準仕様書(建築工事編)第7章 鉄骨工事
※ この記事の法令確認日:2026年5月
管理人からのコメント
隅肉溶接で気をつけたい問題として「溶接サイズが設計値より小さい」ケースです。
1~2mm程度の差でも積み重なると全体の強度に影響します。溶接ゲージを使った実測確認の習慣をつけることが大切です。
もう一つは「端部処理(回し溶接)が省略されている」問題です。
プレートの端部を止める「回し溶接」が抜けていると、端部から応力集中による割れが生じることがあります。回し溶接の有無を端部で必ず確認するようにしましょう。