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平成29年度(後期)2級建築施工管理技士 学科試験 No.4 を解説、鉄筋コンクリート構造

平成29年度(後期)2級建築施工管理技士 学科試験 No.4 は、鉄筋コンクリート構造に関する問題です。

この問題では、4つの記述のうち、最も不適当なものを選びます。

この問題で問われていること

  1. 大梁の破壊モードの設計方針
  2. 柱の役割と軸力
  3. かぶり厚さの目的
  4. 鉄筋とコンクリートの役割分担

※ 問題文そのものは建設業振興基金が公開している公式PDFで確認できます。上記は、その記述で問われている論点を整理したものです。

正解:選択肢1(これが最も不適当な記述)

RC構造の設計では、壊れ方をわざと選んでいるんです。粘り強く壊れるか、いきなり壊れるかで安全性が大きく変わります。

選択肢1はせん断破壊を曲げ降伏より先行させるとしていますが逆です。せん断破壊は突然なので避け、曲げ降伏を先行させて粘り強く壊すのが原則なんです。

各選択肢の正誤

選択肢 正誤 解説
1 ×(誤り) 大梁は曲げ降伏をせん断破壊より先行させるのが正しい
2 ◯(正しい) 柱は主に圧縮の軸力と曲げを負担する部材である
3 ◯(正しい) かぶり厚さは鉄筋の防錆と耐火のために確保する
4 ◯(正しい) 引張力は鉄筋、圧縮力は主にコンクリートが負担する

選択肢1のポイント(ここが誤り)

梁の壊れ方には大きく2つあります。ゆっくり変形しながら鉄筋が降伏していく曲げ降伏と、ひびが斜めに走って一気に崩れるせん断破壊です。

せん断破壊は前ぶれが少なく、突然壊れるので危険です。逆に曲げ降伏は、たわみが大きくなってから壊れるので、避難の余裕が生まれます。

だから設計では、せん断破壊が先に来ないように、せん断耐力を曲げ耐力より高めておきます。つまり曲げ降伏を先行させるのです。

選択肢1はこれを逆に書いています。せん断破壊を先行させると粘りのない壊れ方になるので、設計方針として誤りです。

ザックリ言えば、梁は突然壊れるせん断より、粘り強い曲げ降伏を先に起こす、ということです。

覚え方

  • 大梁=曲げ降伏を先行、せん断破壊は避ける
  • せん断破壊=突然で危険/曲げ降伏=粘り強い
  • 引張は鉄筋、圧縮はコンクリートが分担する

一問一答

Q.

大梁は、曲げ降伏とせん断破壊のどちらを先行させるように設計するか。

曲げ降伏です。せん断破壊は前ぶれなく突然壊れて危険なので、せん断耐力を高めておき、粘り強い曲げ降伏が先に起こるように設計します。

平成29年 2級建築施工管理技士 学科試験 過去問解説 一覧へ

出典

  • 一般財団法人 建設業振興基金「平成29年度(後期)2級建築施工管理技術検定(学科)試験 問題」
けんせつる

この記事を書いた人

ハナダユキヒロミツメラボ

設計事務所に7年勤務し、建築構造設計に従事。設計者として施工図確認・工程会議・検査立会いなど施工管理と協働してきた経験と、公共建築工事標準仕様書・JASS等の一次資料をもとに執筆しています。

「建築学生が学ぶ構造力学」(kentiku-kouzou.jp)を2010年より運営。著書「わかる構造力学」(工学社)。

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